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私は小さなとき、母からオルゴールの子守歌を聞かされて育った。
そのせいか疲れた時や、悩んだ時、緊張した時には知らず知らずのうちに、母からもらい受けたオルゴールの箱を取り出しその蓋を開ける。
そして箱の中から流れる音色を聞くと心が癒されていくのを感じていた。
体もふわっと軽くなりリラックスしていくのだった。
それはいつも変わらない私だけの至福の時間だった。
私は結婚してからは生まれてきた我が息子に、それを聞かせている。
まだ目も見えない我が子に、母から譲り受けたオルゴールの子守歌を聞かせている。
息子には分かるのか、オルゴールの子守歌がなり始めると小さく可愛らしい天使の微笑みを見せてくれる。
私は、自分の赤ちゃんの時もそうだったのかと思いながら息子の寝顔を見つめていた。
息子が幸せになる事を願いなら・・・。
息子が小学生になったころ悪戯が過ぎて妻に怒られて激しく泣いていた。
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