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「はっ!?すみませんすみません働きますぅ!」
見境なく契約用紙に印を押す仕事を開始して十時間。時折アリスが淹れるコーヒーのカフェインですら眠気を抑えられず、口元からだらしない涎を垂らしながら起きる彼女はとても司令官に相応しくなかった。
このような激務に追われる理由としては、先週青森国で暴れまわるうちに破壊した防壁の請求だ。一兆もの大金を背負うことになったセレネは未だに返すあてを探しつつ、その愚行を聞いたアリスによってしばかれているのであった。
「アンタはいいわよね、休みに彼氏と一緒に旅行へ行ってさ。こちとら龍のせいで休日が丸潰れってのに!」
「私は単なる秘書ですから、お休みを頂くこともあります。ですがセレネ様は司令官、貴重な休日がオシャカになったところで、代えを利かせるわけにはいきません」
「ちくしょぉ!!もうやだこんな仕事!」
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