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ーー杉本が出て行ってから、部屋の奥より男の稚児が現れた。 見た目は幼いが、主人の煙草盆の灰を綺麗に均しながら店主に大人のように文句を言う。
「全く、また旦那様はあんな仕事を請け負って!
あの男の人の失せ物ではなく、他人の睡眠だなんて。そんなもの、どうやって見つけるつもりですか!
しかも支払いが宝くじだなんて。 ふざけるのも大概にしてください!」
「俺は至って真面目だぜ。
そんでもって、あいつも真面目に願ったんだ」
今しがた綺麗に整えられた煙草盆の上に容赦なく煙管を叩きつけて吸い殻を落とすと、稚児がぎゃっと声を上げた。
「強く願わないとここには入って来れないものさ。
人間なら尚更な」
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