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そんな三人から離れた1番隅のデスクで、武田はまだ作業をしていた。
1人で黙々と、口先でブツブツと何かを呟きながら。
コンコン
と、デスクを叩く物が武田の目の端に見えた。
煙管だ。
その煙管を目で辿って顔をあげると、見知らぬ男が立っていた。
その人はひどく優しげな表情を浮かべていた。
男のはずが、女のようにも見える。
人のようにも見えるが、獣のようにも見える。
仏のようにも見えるが、鬼のように見える。
誰だろう、誰だろう、と考えている内に、ふと自分自身の事を思い出した。
ぐるぐると社内の景色が回る。
ブルーライトが点滅を繰り返し、不規則に切れかかる。
意識が離れそうになるのを必死で抵抗して、目の前の男の口が動くのを見た。見てしまった。
「ーーおやすみ」
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