目を開けると――――

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「いいえ。脳の萎縮は見られても、病気自体は発見されていません。正直、手術中のショック死としか考えられないんですよ」 「これは、おたくが開発した新しい麻酔薬を使ってから頻繁に起こるようになったんですよ? それまでは、こんなこと無かったんだ」 「だから、うちの麻酔薬が原因で死亡していると言いたいんですか?」 「ああ。そうだ」 手術中に突然死が相次ぐ中、その原因を探るべく、集められた関係者達はそれぞれの意見を口にする中、とうとう、医師の一人が本音を漏らした。 「しかし、この麻酔は多くの臨床試験をパスした、世界で唯一、ノンアレルギーで副作用のない夢の全身麻酔薬ですよ? 第一、この麻酔薬によるショックや拒絶反応は、どの患者からも出てはいませんよね?」 狼狽えることなく、正論を述べる製薬会社の男。 この麻酔を使ってから、謎の死が続いているのは確かである。 とはいえ、彼の言う通り、麻酔薬による拒絶反応やアレルギー反応は検出されていない。 「うぅ……む」 この場での一番の責任者である上座の男が唸った。
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