再愛。～再会した彼～ あなたの温もり

15.あなたの温もり

センター長の返答にホッと息をつく。

体調が思わしくないことはバレていないみたいだ。

早く研究センターに戻って、残った仕事の山を片付けなきゃ…。

今日も何時に帰れるんだろうと苦笑する私は、プレゼンを無事終えたことに少し満足していた。

大仕事の後片付けに入ろうと、心にゆとりができたことに油断していたのかもしれない。

改めてセンター長にお礼を伝えようとしたその時、予期せぬ言葉を投げかけられた。

「体調が悪いなら帰ったらどうですか？」

聞き覚えのある感情のない声に、ビクッと肩が飛び跳ねて、瞬時に凍りついた。