15.あなたの温もり

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振り返らなくても、それが誰の声かなんてわかり切っていた。 「楢崎くん? それってどういう…」 センター長がその忠告に反応して楢崎くんに尋ねた。 「隣の彼女です。 具合が悪そうなので、帰らせてあげて下さい」 淡々とした口調で、楢崎くんはそう言った。 私は彼を直視することができず、俯いていた。 「え?  具合悪いって……ごめん!白河さん、そういえばさっきも…」 神谷センター長はハッとして私の方を覗き込むと、申し訳なさそうにじっと見つめた。 「ごめんね…僕としたことが気づけなくて。 プレゼン前に見抜けていたら…本当にごめん。今日はもう…」 自分のせいだと責めるセンター長を見るに耐えられなくなって、勢いで顔を上げると首を大きく横に振った。
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