584人が本棚に入れています
本棚に追加
「君が意外に頑固だっていうことがわかったよ。
僕が止めても君は帰らないよね?」
「……」
何も返せず黙っていると、センター長は観念したようにため息を吐く。
「…定時には上がるように。
体調が異変するようならすぐに帰ること。
十八時以降からはまた豪雨に変わるみたいだから、絶対に定時で上がるんだよ」
「ありがとうございます!」
「僕が出張っていうことが残念だな…。
君のことが心配でたまらないよ」
悲しげな笑顔を向けられて、どう反応していいのかわからず俯いた。
不器用な私を見かねたセンター長は私の頭にポンッとやさしく触れると、そのまま会議室から出て行った。
最初のコメントを投稿しよう!