15.あなたの温もり

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びっくりした……。 警備員のおじさんだと悟ると、ホッと胸を撫で下ろす。 「急に大雨注意報が出たでしょ? 異常気象は困るね。 さっきよりもだいぶ落ち着いたから今のうちに早く帰った方がいいよ。 帰りはどうするの?」 「…あ、タクシーで…」 「タクシー!? いや、無理無理。 ここらへんじゃもうタクシーは捕まらないよ。 駅まで歩くしかないかもね」 やっぱりかと、心の中で落胆した。 そうでないといいなとは思っていたけれど…現実はそう甘くない。
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