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プレゼン前に気合いを入れようとしたけれど、途端に体がぶるっと震えて背筋に悪寒が走る。
思わず肌触りを確かめるように腕をさする。
この二週間、不規則な生活を送ってきたのが原因かもしれない。
最後にベッドで寝たのはいつだろう?
食事も仕事と併用できるように軽食で済ませていたし、この二週間を思い返してみれば、いつ体調を崩してもおかしくない。
「白河さん、もう全員集まったみたいだから。
プレゼン頑張ってね」
神谷センター長は爽やかな笑みでそう言うと、安心させるようにやさしく肩を叩いた。
「はい、頑張ります!」
今は、目の前のことだけに集中しよう。
私は大きく深呼吸して、プレゼン会場となる会議室に足を踏み入れた。
その時、楢崎君の姿が私の目に映った。
胸が渦巻くような感覚を覚えたけれど、今は必死に抑えた。
どこにいても、私は一番に彼を視界に捉えてしまう。
心のどこかで私は…いつの間にか彼を探している…?
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