15人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
「怖がってなんていないっ!」
セイヤは、大きくて綺麗な瞳をマサルに向けると、ジロリとキツく睨みつけた。
「そういうキツい表情も、委員長だとヤバイくらいカワイイよね」
マサルは全く堪えていない。
「か、かわいくなんて……うっ……んっ……!」
唐突に、マサルはセイヤの唇に自分の唇を重ねた。
すると、マサルの口の中一杯に、ストロベリーの香りが広がった。
初めて奪うセイヤの唇は、想像よりもふわふわと柔らかくて、甘い香りも手伝い、トロトロにとろけそうになってしまう。
学園祭開始直前、リップなんて気持ちが悪いと嫌がるセイヤに、ノーメークのメイド姿は変だと言って、何とか納得させたのは大成功だった。
「ふっはぁ~。美味しいっ、委員長!」
大満足でマサルは、自分の唇についたセイヤのリップを味わうように舌でなぞった。目では見事なメイド姿を堪能する。
セイヤといえば、細身であり華奢といってもいいくらいでメイド服は無理なく入る。女の子でもなかなかはきこなせない超ミニスカートまで違和感なく 着こなしていた。スカートから伸びる長くて白い脚は、モデルのように形が良くて、カフェでも一番の人気だった。
(こんな完璧なメイドの子、見たことないかも)
今まで、ごしごしと唇を拭っていたセイヤは、マサルの視線が気になったのか、チラリと眼だけ向けると、恥ずかしそうに下を向いてしまった。
「あ、待って。委員長」
ずれたレースのカチューシャを直し、前髪を整えてあげてからマサルはセイヤの顎を軽く掴んだ。
「なにするんだ……」
セイヤはマサルから逃れようとして、プイッと横を向く。
瞬間あらわになったセイヤの首元を見れば、耳たぶと同じように真っ赤に染まっていく。
「委員長の恥ずかしがる姿って……凄くそそられるんだけど」
言い終わる前に、そそられる首筋に唇を這わせるマサル。
「やめろってっ……」
身をよじってあらがうセイヤの仕草に、マサルの心はキュンときた。堪らなくなってセイヤの脚へ手を伸ばす。
「やっぱりスカートの下が気になるんだけど」
黒いニーハイとミニスカートの間から覗くセイヤの太ももを、いやらしい手つきで撫でて言う。
「ねえ、見せて、委員長」
セイヤは、ギュッと目を瞑ってぶんぶんと首を振った。
最初のコメントを投稿しよう!