2.天使の感触

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「怖がってなんていないっ!」  セイヤは、大きくて綺麗な瞳をマサルに向けると、ジロリとキツく睨みつけた。 「そういうキツい表情も、委員長だとヤバイくらいカワイイよね」  マサルは全く堪えていない。 「か、かわいくなんて……うっ……んっ……!」  唐突に、マサルはセイヤの唇に自分の唇を重ねた。  すると、マサルの口の中一杯に、ストロベリーの香りが広がった。  初めて奪うセイヤの唇は、想像よりもふわふわと柔らかくて、甘い香りも手伝い、トロトロにとろけそうになってしまう。  学園祭開始直前、リップなんて気持ちが悪いと嫌がるセイヤに、ノーメークのメイド姿は変だと言って、何とか納得させたのは大成功だった。 「ふっはぁ~。美味しいっ、委員長!」  大満足でマサルは、自分の唇についたセイヤのリップを味わうように舌でなぞった。目では見事なメイド姿を堪能する。  セイヤといえば、細身であり華奢といってもいいくらいでメイド服は無理なく入る。女の子でもなかなかはきこなせない超ミニスカートまで違和感なく 着こなしていた。スカートから伸びる長くて白い脚は、モデルのように形が良くて、カフェでも一番の人気だった。 (こんな完璧なメイドの子、見たことないかも)  今まで、ごしごしと唇を拭っていたセイヤは、マサルの視線が気になったのか、チラリと眼だけ向けると、恥ずかしそうに下を向いてしまった。 「あ、待って。委員長」  ずれたレースのカチューシャを直し、前髪を整えてあげてからマサルはセイヤの顎を軽く掴んだ。 「なにするんだ……」  セイヤはマサルから逃れようとして、プイッと横を向く。  瞬間あらわになったセイヤの首元を見れば、耳たぶと同じように真っ赤に染まっていく。 「委員長の恥ずかしがる姿って……凄くそそられるんだけど」  言い終わる前に、そそられる首筋に唇を這わせるマサル。 「やめろってっ……」  身をよじってあらがうセイヤの仕草に、マサルの心はキュンときた。堪らなくなってセイヤの脚へ手を伸ばす。 「やっぱりスカートの下が気になるんだけど」  黒いニーハイとミニスカートの間から覗くセイヤの太ももを、いやらしい手つきで撫でて言う。 「ねえ、見せて、委員長」  セイヤは、ギュッと目を瞑ってぶんぶんと首を振った。
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