星屑の町

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揺らぐ陽炎(かげろう)の向こうに、ぽつぽつと影が見えている。 生き物の牙のような形をした岩の傍らを通(とお)ってきたのは十人ほどの隊商で、それぞれ荷物を積んだ駱駝(らくだ)を引いていた。 隊商の頭領らしい男が進み出た。 「日が高くなってきたから、砂漠を進む事ができない。 ここで休ませてもらえないだろうか」 全身を日よけの衣で覆ってはいるが、声の感じといい、まだ若い。 青年といってもよさそうだ。
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