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単車に立てかけていたポールを手に取る。
私のつぶやきに、後からやって来た連中の1人、馬場という男が反応する。
「話はわかった。けど、うちの傘下ともめた以上、このままじゃ済まねぇぜ?」
そう言って、私へと近づいてくる動きで見えた。
馬場の腕には、『親衛隊長』とぬわれていた。
それで幹部だと察する。
そいつは、作業する私をじっと見ながら言う。
「お前・・・本当に凛道蓮か?」
「他にも凛道蓮がいるたのか?じゃあ、『俺』にも確認したくなるな。」
「なっ!?」
そんなわけないけど、わざとそう言ってやる。
軽く嫌味を言ってから、バイクにキーを差し込む。
ブロッ!ブロン、ブロン!!
「オイ、待て!」
それで馬場と呼ばれた灰色の特攻服の男が怒鳴る。
「テメー逃げるのか!?」
「勝手に決めつけてんじゃねぇーよ、親隊様~?」
「なんだと・・・!?」
挑発を即答で返してから、まいていた旗を広げながら伝えた。
「『俺』は今夜、しなきゃいけないことがあるんだよ。12時スタートだから、これ以上邪魔しないでくれねー?」
「・・・・何を始めるってんだ?」
慎重に聞いてくる相手に笑みがこぼれる。
「いきなり攻撃してこないんだね?」
「はあ?」
「俺相手に、普通に会話してきたのは、君が初めてかもしれない。」
分解されていた旗を素早く組み立ててる。
ポールを通して固定すれば完成。
バサッ!!
素早い仕上がりに、手先が器用で良かったと思う。
「うっ!?そいつは・・・・!?」
刺繍の糸で意外と重い旗。
それを手に持って肩に担げば、馬場という男が大口を開けて固まる。
食い入るように私が持つ旗を見つめる。
その様子を眺めながら、いい気分で告げた。
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