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体育館の入り口から、中を覗く。
何人かで居残り練習してるのかと思ったけど、シューズの音の主は一人だった。
黒髪をなびかせて、一人で何度もバスケットゴールにシュートを決める。
たまに失敗しながら、何度も何度も。
まるで漫画やドラマで見たような光景が、目の前にある。
「…………!」
衝撃を、受けた。
目が離せなかった。
彼から。
シューズの音の主から。
今まで感じたことのないドキドキ。
きゅうって締め付けられると思うとぶわぁっと感情が一気に溢れ出しそうになる。
え、これはなに? 私はこんなの知らない。
「これが、恋か……!」
熱くなった頬っぺたを両手で押さえながら確信した。
私の青春も恋心も、全てこの人に捧げるためにあったんだ!
この瞬間、私の頭に、桜が咲いた。
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