黒髪バスケの彼

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 あの後はもうとにかくこの人類の誰よりも私はふわふわとしていた。  脳内の桜は満開だ。   いつもと同じ家のご飯が高級レストランで出てくる料理よりも美味しく感じられた。  ああ、早く学校に行きたい。  こんなこと思うのは初めてだ。  今ならはっきり分かることは、芸能人やアニメキャラに対しての付き合いたいという感情は恋心ではなかったということ。 「また一つ賢くなっちゃったな~」  ふふふ、と自然と笑みがこぼれる。  そして今日偶然という名の運命で出逢った黒髪バスケの彼のことを思い出すとより笑みがこぼれた。    よーし! 明日からアタック開始だ!!  とりあえず会いに行って私のことを知ってもらうことから始めなきゃだよね。  今日は明日の為に早く寝よう!  いつもよりちょっと早めに起きて、少しだけメイクもして……なんだかワクワクしちゃう。 「……こんなにも世界の見え方が変わるのかぁ」  恋って、すごいなぁ……  お風呂も明日の準備も済ませてベッドにもぐりこんだ。  目を閉じて聴いたこともなかった流行の恋愛の曲をイヤフォンで聴きながら目を閉じる。  いつ会いに行こうかな……  やっぱり昼休み? でもなんて話しかければいいんだろう?  ……ん? 待って。なんか大事なこと忘れてる気がする。 「あの人誰だ!?!?」  ガバッとベッドから飛び起きた勢いで、耳につけていたイヤフォンが外れた。  
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