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手を伸ばす。
今度は左も右も、上も下も真っ黒だ。どこを見ても、一面闇しかない。
何があるかわからないし、何もないかもしれない。
けど、手をさらに伸ばす。
満足に動かない、痩せ細ったか弱い腕を伸ばして、その手で見えない何かを求める。
見てしまったから。
その想いを、聞いてしまったから。
手を伸ばす。
手を伸ばす。
そうしないと、大切な何かと離れ離れになる気がするから。
ただ、お前の横にいたい。
寄り添って、支え合って、歩んでいこう。
暗闇の中触れた目に見えない何かは、か弱く頼りない、けど温もりを灯したものだった。
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