エピソード1「価値とはなんだ?」

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軌跡、という言葉がある。 人生の軌跡、即ちこれまでの自分の歴史だ。 人によってその歴史は様々で、過去で、経験でもある。 自慢できる過去を周りに振って回る人もいれば、自慢できない過去に日々もがき苦しんでる人がいるかもしれない。 そしてほとんどの人が、自慢できることと、自慢できないことを抱えて生きている。 それが正しい。それが健全だ。 恋愛に関しても同じだ。 身分制度も一夫多妻制もないこの時代、この東京には様々な愛の軌跡がある。 私も多分、そのうちの1人。 だけど私には、人に言えるような軌跡はない。 命を貰い、性を授かり、この世に生まれて27年。 私の人生、即ち軌跡は、存在しない。 誰がなんと言おうと、存在しない。 シフォンのブラウスを着た、頭がお花畑の少女の時間は終わった。 鋭くあれ。鋭くあれ。鋭くあれ。 セックスは演技だ。 現実に、従え。 女は、男を簡単に信じてはいけない。 だから私は、 この男から逃れなくては。 【Optimism・Realism(オプティミズム・リアリズム】
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