夕暮れの通勤電車で。

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ガチャ。 まだ真新しいドアを開くと、バタバタと騒がしい足音を立てて走ってくる人影が見える。 「ただいま」 「パパおかえり!」 「おかえりなさい」 ミー太、あの街からは少し離れてしまっているけど、俺はここで幸せに暮らしている。 明日も仕事で、もしかしたら急患が入って、ここに帰るのは深夜かもしれないけど……それでも、誰かの笑顔が守れるなら。 もちろん、お前ら動物たちにも幸せに過ごして欲しいってそう思ってるから。 だから、ミー太、俺は明日も仕事頑張るよ。 「どうしたの?何かいいことでもあった?」 からかうように言う妻の声。 「そうなんだ。ちょっと聞いてくれよ。今日不思議なことがあったんだ」 なあミー太、今度の休みは必ず会いにいくからな。俺の嫁と子供を紹介するから。 ありがとう。ミー太。
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