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子猫は改札を通り抜ける。
俺も改札を通り抜ける。
子猫は右に曲がる。
俺も右に曲がる。
見失いそうになるが、その度に子猫は立ち止まって俺を見る。
子猫は細い道をひたすら進む。
俺も細い道を体をぶつけながらもなんとか進む。
「っ……まぶしっ……」
右へ左へ縫う様に路地裏を抜けていくと、突然開けた視界に広がる光に一瞬視力を奪われた。
大きな川に夕陽が反射して、土手から眺めるとオレンジ色の川に見える。
慌てて周囲を見渡したが、子猫の姿はもうなかった。
……なーにやってんだ、俺。
知らない駅で子猫追っかけたりして。
これは相当疲れてるんだな。
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