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い。部屋に入り、手錠をかけられたら逃げ出すタイミングはないかもしれない。そんな危険を
感じながらもついて来たのは、あのマッサージ店のことをもっと知りたかったからだった。井
澤はそれを見抜いていたのだろう。瀬野の好奇心に応えるように一方的に店に関する情報を提
供し、瀬野を搦めとろうとした。そして次はお前の番だと、痺れを切らして瀬野に迫っている。
今さら逃げられないよな‥‥。
瀬野は半ば観念した。
「俺、痛いの嫌いだからね」
「大丈夫。僕、うまいから」
「そうじゃなくてさ。こう見えて、肌、デリケートなの。へんなプレイされたら、ボコッち
ゃうかも。まっ、井澤さんが痛くして欲しいって言うならつきあうけど」
「気が合うな。僕も痛いのはごめんでね。けど、御崎君の事、もっと知りたいならちょっと
くらい付き合えよ。何なら次の予約、君のためにとってやってもいい」
井澤は、瀬野の御崎への興味をあっさりと見破り、ピンポイントで鼻先に餌をぶら下げてき
た。瀬野は具体的な条件を提示されて初めて、自分が御崎の手によって癒されたいという願望
を強く抱いていることを知った。
「痛かったらボコるってのはマジだからね」
「痛いどころか、うんと気持ちよくしてやるよ。彼のマッサージよりね」
井澤は瀬野のGパンのベルトを外すと、それで瀬野の両手首を一つに縛り、ベッドに押し倒
した。
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