カブトムシ

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「仕方ないか……」  と肩を落とすような姿が、なんだかしのびがたくも感じる。  すると、「あっ」と言う声とともに、カブトムシが飛び立った。  嬉しがるのはカズノスケだ。キャッチすべくジャンプをするなり、飛び去ろうとするカブトムシを、一直線に追いかけるなり、脇目もふらず、カブトムシに集中している。  いやがおうでも捕まえようと、ワン・ワン・ワン・ワン・ワン、と世界はカズノスケで一色なのだ。  猫のように追いまくるカズノスケを初めてみた。
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