絵描きはゼロ戦乗り。

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 俺はゼロ戦乗りだ。  明日ゆく同士の周りは、《愛する。お母様へ》などと手紙を認めている。  俺は書かない。  俺の母親は、俺が三歳の時、この目に針を差し込もうとした女だ。その時の傷が、いまも疼いている。俺はこのことを仲間に告げたこともない。  医者嫌いの俺が、一度だけ眼科医に自分の目を診察させてやった。 「この傷はどうしたのかね?」  と医者は尋ねてきた。  いくら医者嫌いの俺でも、こちらの方がよっぽど母親らしい、と感じたことを思い出す。頑固なのだろうが、それでも俺は医者嫌いを続けた。
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