自分ではないもう一人のわたしの世界

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途端、周りが闇に包まれた。 怖くて声も出なくなっていると、小さな光がポッと現れ、その中心には、小さな女の子が膝を抱えて蹲っている。 「待っても待っても、誰も帰ってこない。母さん、まだ帰って来ないの?父さん、あの女の人は誰?竜太、来斗、また3人で遊ぼうよ。ジイちゃん、早く起きて、散歩に行こうよ。またみんなで、ご飯食べようよ。」 また、みんなで___。 その先の声を遮るように、小さな光はフッと闇に溶けるように消えて言った。 あの少女はいったい誰だ、いや、知らないわけがない。だってあの子は わたしだから。 どうしてみんな離れていったんだろう。 どうして誰も帰って来ないのだろう。 どうして自分(わたし)は、ヒトリなのだろう。 何か悪いことをしたなら謝まるから、ダメなところがあるならちゃんと直すから、だから。 「誰も、いなくならないで。置いていかないで。」 その言葉を最後に、自分も闇に消えた。
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