自分ではないもう一人のわたしの世界

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熱がさがり、自分も父さんや弟たちと外に出た。 学校から帰ってきて、弟たちとジイちゃんとで、鬼ごっこをした。 みんなでご飯を食べた、みんなは当たり前のように過ごしていたけど、自分は久しぶりにみんなと1日を過ごしたような気分だった。 竜太から、とある漫画を借りて読んでいた。 幾つものパラレルワールドが平行に並び、その1つ1つを、時空を越えて体験していく少年の話。 そこで自分は、ふとあの夢に出てきたもう一人の自分を思い出す。 もしかしたら、あの子はパラレルワールドの内のどれかの一人なのかもしれない。 あの子の世界では、みんな自分の前から離れていってしまった。 ひとりぼっちになったあの子は、この先どんな未来になっているのだろう。 もし、その世界があの子ではなく、自分の世界で起こっていたら、どんな未来になるのだろう。 そんなことを考えながら、読んでいた漫画のページをめくる。
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