第五章 ジャッカロープ 二

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「私が我慢できないの。 弘武君が一人前になってしまうまで、もう残された時間は少ないでしょう。 それまで、毎日でも、一秒でも多く、成長を見ていたいの」  俺は、これから成長できるのか。あんまり、身長は伸びないかと思う。 「弘武君のお母さんがね、手紙を残していたの。 弘武を一人きりにしていて、誘拐されて、見つからなくて地獄だったと。 だから、子供は手元から離してはダメだってね」  母は、希子宛てに手紙を残していたのか。 「弘武君、写真もあってね。弘武君が見つかった時、背中も腹も怪我だらけで、 お母さんは涙が止まらなかったそうよ。 私も、弘武君の顔が綺麗だったから気が付かなかった」  俺が怪我の跡だらけというのは、ここにいる天狗のメンバーは見慣れている。 着替えでも風呂でも、特に隠してはいない。
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