第六章 ジャッカロープ 三

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「この船、動いているのですか」  この客船の搭乗者が、もしかして客であるのか。 「……仕入ツアーですか?」 「そうなんだよ。でも、左々の発情期は終わったばかりでね」  売る発情期の元がないのか。 それで、ホーはこんなに荒れているのか。 「……春留、教えて。人間になれずに、動物として生きている子供は何人いた?」  春留は、部屋の隅に走ってゆく。兎は鳴かないので、会話が難しい。 俺は、端末を探して外の部屋に向かった。 「ホー、パソコンはある?」 「そこに、タブレットがある」  タッチパネルというのも、ありがたい。 俺は春留を捕まえると、タブレットも抱えた。
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