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「この船、動いているのですか」
この客船の搭乗者が、もしかして客であるのか。
「……仕入ツアーですか?」
「そうなんだよ。でも、左々の発情期は終わったばかりでね」
売る発情期の元がないのか。
それで、ホーはこんなに荒れているのか。
「……春留、教えて。人間になれずに、動物として生きている子供は何人いた?」
春留は、部屋の隅に走ってゆく。兎は鳴かないので、会話が難しい。
俺は、端末を探して外の部屋に向かった。
「ホー、パソコンはある?」
「そこに、タブレットがある」
タッチパネルというのも、ありがたい。
俺は春留を捕まえると、タブレットも抱えた。
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