第六章 ジャッカロープ 三

10/22
前へ
/152ページ
次へ
「春留、頼む」  春留は、俺の顔を見てから、タッチパネルで三と押した。 「三人か」  動物の発情期は、人間にも影響が出るのだろうか。 「他の二人は何の動物であったの?」  春留は、パネルの文字を必死に眺めた。 兎がいるのならば、猫や犬も可能であろうか。 「猿と、オラウータン。三人は山に混じった」  野生化の道を選んだということか。 しかし、春留はどうして、印貢の家の裏にいたのだろう。  野中に解析していた情報を流して貰うと、動物になった子供は、 卵子が動物であった。 人間ではなく、人間の混じった動物ということになる。 「……発情期か」 「四区には、発情期に免疫のある子供が多い。それは、混じりです。 お互いに分かります」
/152ページ

最初のコメントを投稿しよう!

158人が本棚に入れています
本棚に追加