第六章 ジャッカロープ 三

11/22
前へ
/152ページ
次へ
 何か引っかかる。 四区は、人体実験で他の生物と混じった子供が多かった。 それは、左々と大きな違いはないのではないのか。 俺たちが、発情期に免疫があるのは、四区に近いせいではないのか。 幼少期にできる免疫と、四区にいる子供達の異能は、関係している。 そして、印貢のルーツも混じりなのかもしれない。 「ホー、実験をしなくても、あの港の子供にいるかもよ」  ホーは起き上がると、春留を凝視していた。 「その兎、混じりなのか?」 「ただの兎です!」  甲板に出ると、携帯電話の電波を探す。 やっと電話のかかる場所を見つけたと思ったら、ホーの部屋に戻っていた。
/152ページ

最初のコメントを投稿しよう!

158人が本棚に入れています
本棚に追加