第六章 ジャッカロープ 三

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「……名護、どうして俺は持ち上げられているの?」  名護は、俺を見ると、相手に降ろせと手で示していた。 どうも、言葉をよく理解していないようだ。 「印貢だからでしょう。印貢の遺伝子に、どうも惹かれるようですので」  俺は春留に回答を求めて見つめてみた。 春留は、何度か頷く。 だから、春留は印貢の家の裏にいたのか。 どうやって訪ねたのかは分からないが、春留には意味があったのか。  名護がじっくりと答えを聞くと、 夜で、しかも海なので危険だと思い俺を持ち上げていたらしい。 「名護、今度は何だ?」  やっと肩から降ろされたと思ったら、今度は背中から抱え込まれていた。
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