第六章 ジャッカロープ 三

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「弘武、今回は寄っただけだけど、改めて来るからね」  佳親の怒りを考えると、暫く来ないで欲しい。 名護が、藤原に電話を掛けていたので、もうすぐ佳親もやって来るだろう。 「ホー、早く去らないと、俺の親父が来る」  死霊チームの子供は、ホーが暫く預かるという。 ちゃんと給料も払うし、学校も用意すると、ホーは名護に説明していた。 「左々ほどではないですが、彼らもここで生活するのは辛かったでしょう。 居場所が見つかって良かった」  船に乗ってゆく仲間を、名護が見つめていた。  しかし、春留も不思議な存在であった。 人間になれなかったが、人間の脳を持っている気がする。 他の二人は、野生に返って、うまくやっているのであろうか。
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