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名護は首を振っていた。
「……しょうがないです。俺は、初めて振られましたよ」
どういう意味であろうか。
俺が慌てて名護を見ると、名護は苦笑いしていた。
「私と印貢先輩のどっちが大切!ですよ。迷いなく返答してしまいまして」
平手打ちされて、別れの啖呵をきられたらしい。
「ごめん」
謝る他はできない。
「まあ、本音ですから。スッキリしましたよ。それに報酬は、印貢先輩と泊まりですよ。
選ぶまでもない」
港に車がやって来ると、佳親が飛びだした。
俺は船が出航している事を確認すると、佳親に走り寄った。
「父さん、どうにか解決しましたので」
佳親よりも先に、季子が飛びついてきた。
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