第六章 ジャッカロープ 三

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 名護は首を振っていた。 「……しょうがないです。俺は、初めて振られましたよ」  どういう意味であろうか。 俺が慌てて名護を見ると、名護は苦笑いしていた。 「私と印貢先輩のどっちが大切!ですよ。迷いなく返答してしまいまして」  平手打ちされて、別れの啖呵をきられたらしい。 「ごめん」  謝る他はできない。 「まあ、本音ですから。スッキリしましたよ。それに報酬は、印貢先輩と泊まりですよ。 選ぶまでもない」  港に車がやって来ると、佳親が飛びだした。 俺は船が出航している事を確認すると、佳親に走り寄った。 「父さん、どうにか解決しましたので」  佳親よりも先に、季子が飛びついてきた。
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