第一章 岩陰と森と山

2/25
前へ
/152ページ
次へ
 俺は、墓参りに行こうと確かに言った。  俺は高校一年、印貢 弘武(おしずみ ひろむ)、 代理出産で生まれ、遺伝子上の母と、産みの母がいる。 でも、産みの母は、遺伝子上の父、佳親の母でもあるので他人ではない。  俺は、最近まで母が代理出産していたなど知らなかった。 佳親も、俺の遺伝子上の母、季子もその事実を知らなかった。  産みの母の墓参りに、季子の両親、俺の祖父母を誘った。 佳親が行くというのは予測していたが、季子も征響も行くと言い出した。 そこに、俺が名護と藤原を誘ったので、今度は秋里と倉吉まで来ると言い出した。
/152ページ

最初のコメントを投稿しよう!

158人が本棚に入れています
本棚に追加