第一章 岩陰と森と山

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 それで終わりかと思っていたら、夫婦喧嘩をした藤原の父、将嗣も来ると言い出し、 マイクロバスと運転手の手配までしてくれた。 「……何のツアーですか……」  あり得ない状況だが、墓参りだというのに、大人数になりつつあった。  そこに、商店街からも行きたいという人が数名加わろうとしていた。 かつて母が天神で暮らしていた時の、友人たちであった。  学校の教室で、俺は机で眠っている相澤に話しかけていた。 相澤は、学校に潜入捜査で来ている刑事であったが、 その事実は、ここでは俺しか知らない。 潜入捜査と言っても、学校内で発生する事件、事故をリサーチしているので、 特定の事件を追っているわけではない。
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