彼方の夢

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 佐波と今日の授業は何があったかなどと他愛ない話をしながら教室に着くと、黒板には一時間目が自習だと書かれており、佐波と教室の入口で立ったまま顔を見合わせてはラッキーだと笑った。 「おーっす、宮尾。今日は佐波ちゃんと二人で登校ですかー?」 「朝から見せつけてくれるなー」 「ばーか。そんなんじゃねえって。ただ途中で会っただけだっつの」  窓際の後ろから三番目の席に鞄を置いて椅子に座ると、近くの席の男友達からからかいの言葉が飛んでくる。  男ってやつはただ女子と一緒に歩いてるだけでからかってくることが多く、俺も例外ではなくその被害に遭うも、いつものことだと割り切って適当に流す。
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