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「はい。みさきは良いよ。お金無かったんだもん。でも、また買って当てるから」  ……何か買ってあげたくなるくらい不憫だな。そんなみさきちゃんの姿に、二人はハッと我に返ったのか、みゆきちゃんとちあきちゃんは、「ごめんね!」と頭を下げ、アイスの棒を突き返した。  しかし、こうなってしまうとやはり意地の張り合いが続く。  要らない。要らない。要らない。そんなやり取りが見ているこっちが嫌気がさす程続く。  これを見た良知が動いた。アイスを一つ取り出し、自ら食べ始める。その間も言い争いは続いていたのだが、良知は一生懸命食べ続けた。  そして、四本目にして、やっと当たりを引き当てた。 「こ、これ……当たったからあげる。だからみんな仲良くしてね?」  もはやアイスを食いすぎて青白い顔をした良知。そこまでして頑張ってくれた良知に、三人は声を揃えて一言。 『そういう問題じゃないの!!』  ……今回ばかりは、良知のアイス代は僕が払うことにした。
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