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 良知は小さな駄菓子用のラーメンを啜りながら、一服つく。  トヨさんが会計をしていた当時はお線香の匂いがしたこの場所も、この男の所為で今ではヤニの臭いが取れなくなっている。でも、これはこれで風流なのかな。 「なぁ、良知って何でそんなに子供が好きなんだよ」 「ん? まぁ、普通に性癖だと思うけど……強いて言うならば、みんなの成長過程を見たり想像するのが楽しいんだよな」 「そうなの? もっと犯罪的な思考が渦巻いてると思ってたけど」 「ば、馬鹿野郎! 俺は幼女が好きだが、好きなだけなんだ! ガチでアイラブユーしてるだけなんだ!!」  ……スルーしておこう。こいつもそれを望んでいる。 「……まじで、さっき言ったのは事実だよ。実際、みさきちゃんの成長した姿はずっと見てきた。その上で、人って存在は唯一無二で貴重で神秘的だなと思うし、俺は更に彼女が成長しても、純粋にみさきちゃんの成長する姿を見続けると思う。勿論、他の子達だってそうだ」 「そうか……」  不覚にも、感動してしまっている自分がいる。きっとトヨさんも、何気ない顔して見続けていたんだろうな。みんなの、成長する姿を見続けてきたんだろうな。 「僕も見続けよっかな。みんなの姿を」 「……お前も、実はロリコンだったのか?」 「そう言う意味じゃねーよ!!」  冗談だと笑う良知だが、少し寂しそうだ。 「そうじゃなくて、子供も大人もみんな、この場所で見守っていきたいって言ってるんだよ」 「そうか? でも、この駄菓子屋もう潰れるらしいけどな」 「へぇ……って、はぁーっ!?」  あまりに急すぎる話に、僕は声を荒げた。
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