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「なぁ、聡(さとし)、お前も結構来てるだろ。ポイントカードでも作ったらどうだ?」
あの日以来、僕はこの主人……と、客となる女の子達が心配で、ほぼ毎日この駄菓子屋さんに通っていた。
心配は的中した通り、可愛い女の子を目にすると何度も鼻血を流したり失神しかける主人。名前は、美里良知(みさとりょうち)二十四歳。誰もが認めるロリコンだ。ちなみに良知も言っていたが、僕の名前は田中聡(たなかさとし)と言う。
「ポイントカード? 持ってたら何かあるのか?」
「ああ。一応、二十個溜めると商品が貰えるようになっている。それも、毎日来るだけで貰えるんだ」
何だか、裏のあるポイントカードだな。女の子を誘き出そうと言う魂胆が見え見えだぞ。
「へぇ。でも、それじゃあ毎日何も買わずに来る子だっているんじゃないのか?」
「まぁ、それが可愛い幼女だったら良いんだけどな。此処にはババアも来る」
「それが、何も買わずに毎日だったら大変だな……」
「ああ、その場合はな、商品を少し変えるんだ」
少し? どういうことかと首を傾げていると、良知は棚の中から書道の道具を取り出し、ご丁寧にも椅子の上に正座をして文字を書きだす。書道経験は豊富なのか、字は芸術と言わんばかりに美しい。そして紙の上に書きだされたのは。
”ご訪問有難う御座います。商品も買って下さいね。美里良知。”
「直筆の手紙と、強き眼差しを贈る。アイの籠ったプレゼントとなっている」
……成程。こいつは出来たスタンプカードだ。
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