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「そう……か?あいつはいつもヘンだが」
何かあったのかな、
と思わし気に博雅の眉が寄せられる。
それを横目でちらりと見て晴明が立ち上がった。
「ちょっと関白の屋敷に行って来る」
あ、
と博雅が慌てた顔になった。
「忙しいのなら出直してくる」
立ち上がろうとした博雅を晴明が押し留めた。
「ややこしい説明があるから直接行かねばならないが、
すぐ戻るから。
急ぐ用がないのなら待っていてくれ」
いい酒があるからと言われ、
笑った博雅が座り直した。
晴明が出て行くのと入れ替わりに、
薫が酒を運んでくる。
隣りに座って酌をしようとするのを、
晴明を待つからと断った。
そのまま母屋の隅に控えられて 、
博雅が落ち着かない顔になる。
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