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ひたり、
と。
博雅の頬に指が触れる。
氷のような指が首筋に滑り、
頚動脈の上で止まった。
指の後を追うように這ってきた唇が、
とくりと打つ命の流れを確かめるかのように脈に捺しあてられた。
「かお……止め……」
力なく首を振る博雅の頤を捉えて。
薄く笑みを刷いた唇が博雅のそれに重なってきた。
唇を割って入り込んでくる舌。
息を奪うかのように侵入し蠢いてくる肉塊が、
次第に熱を帯びてくる。
送り込まれてくる蜜のように甘い唾液が博雅の顎を伝った。
首上の緒を解かれ小袖の胸元に掌が滑り込む。
直に肌に触れられて悪寒に身体が震えた。
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