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「この間はずいぶん偉そうな事を言っていたが、
あれはウソか?」
怒り頂点を感じさせる剣呑な目で問い詰められる。
お前と同じ顔だから……とは言えず。
晴明の視線が泳いだ。
「今すぐその式を還せ」
有無を言わせぬ口調で博雅が命じる。
小さく吐息を落とした晴明が口の中で呪を唱えた。
背後でばらりと花が散った。
「二度と薫は呼び出さぬと約束しろ」
常にない博雅の剣幕に、
晴明が驚いた顔になる。
「約束しろ、
晴明。
でないとここへは二度と来ぬ」
「……分かった。
約束する」
殊勝な言葉を返す晴明をひとつ睨みつけると、
博雅はくるりと背を向けて階を降りはじめた。
「あ、
おい待て!」
追いすがってその肩にかけた手を払われて。
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