第1章

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うなじの後れ毛に落とした唇が、 紅い痕を残しながら首筋を這う。 肩の骨の形をなぞりながら、 反らした背骨の窪みを辿った。 唇の先触れになった指が背骨の終わりまで行き着いて、 双丘を撫で下ろす。 あ、 とかそけき声が 零れた。 しかし指はその先には進まずに、 脇腹を撫で上げて胸に回る。 咎めるように落とされた吐息に、 晴明が薄く笑った。 背中に口づけたまま晴明が後ろから上体を抱き起こす。 胸に回った指がもうとうに芯を持っている尖りを捕らえた。 下から捏ね上げるように淡く色づいたそれを押しつぶせば、 形のいい頭が晴明の肩に仰け反ってくる。
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