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あえかな声を零し続ける唇に晴明の指が押し込まれた。
同じように熱く濡れた別の場所を思い起こさせる肉の感触を味わえば、
慣れた舌が晴明の指に絡みつく。
閉ざす事を許されない唇から零れ落ちる雫が顎へと伝う。
細い指が自分を苛み続ける晴明の腕にかかった。
引き剥がすためではなく、
ただ縋るために。
絶え間なく押し寄せてくる官能の波に、
腕の中の吐息が浅く不規則になる。
口腔を侵していた指を引き抜かれて、
やっと息をつくその身体を褥に押し倒すと。
――見上げてくるのは鳶色の瞳。
その瞼にくちづけて、
晴明は瞳を閉じさせた。
「……開いて」
膝に置かれた手で命じられて。
震える足がゆっくりと開かれる。
内腿に走る漣が触れている掌から伝わる。
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