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一方その頃
ーside 奏汰
僕は柄の悪い男達に返り討ちにあったあと、変な光に飲み込まれて意識を失った。
「っく!……こ、ここは?」
意識を取り戻し、周りを見回してみると、見たことのない景色ばかりが視界に飛び込んでくる
真っ黒なローブを顔が隠れるほど深くかぶった人達が5、6人。周りは酷く暗く、そのローブの人たちが見えるのでやっとだ。
呆然とその光景を眺めていると、真ん中の小柄なローブをかぶった人がこちらに近寄る
「はじめまして、勇者様。この度身勝手ながら我々の世界にあなたを勇者として召喚させていただいた。アイリス=ユア=フィゼルと申します」
真っ黒なローブの中から聞こえてくるソプラノボイス。声からして女性だろう。
アイリスと名乗るその女性は深深と僕に頭を下げ言う
「どうか、勇者様のお力で私たちの世界を救ってください!」
状況がうまく飲み込めない。僕はなぜここにいるんだ?ここはどこなんだろう?翔は?
「え、えっと。どういう状況なのかを説明してほしいんだ……ですけど。」
とっさに敬語に切り替えしどろもどろと最もな質問を投げかける
「失礼致しました。で、では、手短に説明させていただきます。私たちの世界では……」
長くなるので要点。
一度倒され封じられていたはずの魔王が眠りから目覚め、その影響により魔物や、魔族の動きが活性化。それにより人間に被害が大きくではじめているため、伝説と謳われる勇者の召喚を行った。
そして、この世界の名はリオン・グローシアといい、僕のいた地球とは全く違う世界……らしい……
「と、取り敢えずはわかった。僕でよければ力を貸すよ!教えてくれてありがとね?アイリス」ニコッ
素直に質問に答えてもらったことに礼を言う。
やっぱりこういう基礎の挨拶は大事だよね
「あ//いえその///とんでもないです……」(か、かっこいい//)
ん??熱でもあるのかな?顔が真っ赤だ
心配だなぁ
「あ、言い忘れてた。僕の名前は佐倉奏汰!奏汰って気軽に呼んで?」
「あ、はい!カナタ様!」
「あ、いや、様はいらないんだけどな」
アハハと頭をかきながら苦笑いする。
「あ、えと、じゃ、じゃあカナタ///」
またかおが真っ赤だ本当に大丈夫かな?
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