Episode1、リオン・グローシア

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「き、貴様ぁ!私が誰だか分かっているのか!」 いや普通に知らん 王道的にはここで、嫌がっているのを無理やりなんてかわいそうだ!なんて言いながら女の子をかばうのだろう 「さぁな?だが生憎と俺はお前みたいな高飛車貴族を敬うほど従順な心を持ち合わせてないんでね。」 まるでゴミを見るかのような冷たい目で吐き捨てるようにいう。 「ちょ、調子に乗るなよ!この劣等種が!貴様のような下劣なものは私が直々に制裁を下してやる!」 そう言うと、デブ貴族は両手に電流を帯び纏わせ、怒りに任せて突進 俺はそれを半身身を引き避ける 「おいおい。どうしたよ。その程度なのか?」 「うるさいうるさい!黙って私に倒されろ!」 あまりにも簡単に避けられた事にさらにデブ貴族の怒りはヒートアップ 更にざわつく観衆。 なぜなら、最高潮の怒りから大威力の魔法を放とうとしているデブ貴族がいるからだ。 「フフ、フフフ、フハハハハは!これで貴様を消し飛ばしてやるぞ!!」 周りを全く見ずに魔力を込め体全体…いや、既に周囲にまで電流は迸り、触れればおそらくその時点で死んでしまう恐れがあるほどの熱量と魔力が込められている。 「周りの見えていないデブにはお仕置きが必要か。来いよ。お前のプライドを根っこからへし折ってやる」 これはおそらく、最上級魔法クラスであろう。 普通に放たれてしまえば獣人ちゃんや周りの観衆への被害は避けることは出来ないだろう。 まぁ、俺には関係の無い話だがな。 「くたばれ!【レイジヴォルテックス】」 高熱量の電流は地を砕くかのように迸り、俺を焼かんとばかりに猛追するが 「消しされ【スペルエンド】」 俺が右手を突き出し、その電流に触れた途端。全ての電流が一瞬にして弾け、跡形もなくなった スペルエンド ありとあらゆる魔法を無効化する。 正確には、魔法に込められた魔力とその性質組織を破壊し、魔法としての形を失わせる。 とんでもな魔法キラーだ 「な、な、なんなんだと……?!」 絶対的な自信をいとも簡単に消され呆然と立ちすくむしかないデブ貴族。 「はい。おやすみ」 そこへ腹部に俺の右腕が深々と刺さり一瞬でデブ貴族の意識を刈り取る 「はぁ、貴族とやらはこの程度か。…いや、こいつがあまりにも弱いだけか」 俺は溜息を吐きながら静まり返ったその場を立ち去る
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