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「悪いがここからはずっと俺のターンだ」
倒れる奏汰の前に立ち、チンピラーズと対峙する。
「やるぞてめぇら!」
口火っ切ったチンピラ達は3人仲良く横並びで一斉に俺へと襲いかかる。
が、なんてことは無い。大した連携もないただの特攻など、俺からすれば身構えるまでもない
「そいや。」
真ん中に前蹴りを、右のやつのパンチを一歩下がってよけ腕を掴み腹に左フックを、左のやつの蹴りをしゃがんでよけ後ろ回し蹴りを
この間僅か3秒
ぐは!だの、ぐへ!だの情けない声を挙げその場に伏すチンピラーズ
「もう終わりか?大したことないな」
哀れなものを見るようにチンピラーズを見下しながら吐き捨てる。
「そ、翔…やりすぎだよ」
苦しい表情のままだがなんとか立ち上がった奏汰
しかし、こいつはほんとに何を言ってんだろうな。自分から首を突っ込んでぼこられていた分際で
「あ、あのだ、大丈夫ですか?」
さっきまで動けずにいた女子生徒は、何故か俺の横をスルーし奏汰の元へ
「あ、うん。大丈夫だよ…ありがと」ニコッ
「あうぅ//いえ、あ、助けていただいてありがとうございました!」
逃げるように女子生徒はその場を去っていった
おいコラ。心配するのもお礼言う方も違くねぇか?
ま、もういつものことだから慣れてしまった俺もいることが悔しくもあるが
「はぁ……帰るか。って、ん?」
さっさと帰りたい気持ちで振り向くと、奏汰の足元が淡く光を発し始めた
こ、これはテンプレの異世界召喚パターンか。
「そ、翔!何か地面光ってんだけど!これ何!」
「どうもこうも見た通り魔法陣だろ。おめでとう勇者君」
「なにこれ!笑い事なの?!」
ケラケラ笑う俺に真剣な声音でツッコム奏汰
すると、みるみる光は強くなり次第に奏汰が引きずり込まれていく
「ちょ!そ、翔!助けて!」
ボロボロの体で抵抗ができないのか俺に助けを求める奏汰。
だがしかし
「よかったな。異世界楽しんでこいよ。」
俺は完全スルーを決め込む。
と、思っていた時代が私にもありました。
どういうわけか、奏汰を呑み込む魔法陣の光がより一層強い輝きを放つと、さらにもう一つの魔法陣が出現
それは真っ直ぐに俺へと向かってくるではないか。
「おいおい待て。巻き込まれるなんてゴメンだぞ!」
俺は全力で後ろへ走るが、抵抗虚しく
「なぜだぁぁぁあぁああ!」
俺まで魔法陣へ吸い込まれて言ったとさ。
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