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また捕まらないようにとドアの方へ向かえば
「蒼」
大好きな人の自分を呼ぶ声に
振り返らずにはいられない
足を止めて首だけ慎吾の方へ向ければ
「おはよう蒼」
寝起きの浮腫んだ顔に満面の笑み
真っ黒な髪がカーテンの隙間から漏れる陽を浴びて
鈍く光る
ほぼ毎日繰り返されるやりとり
いい加減慣れろよと自分でも思うのに
いつも涙が出そうなほど幸せな気分になる
ー今日も最高な日だ
始まったばかりの一日をそう思ってしまうほど
俺にとってかけがえのない時間
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