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小さくなった大きな人の後ろにまだ人がいたようだ
眼鏡を掛けた無表情のその人は骨ばった手を握り締めている
「おい竜樹!禿げたらどうすんだ!」
「禿げたグリズリーなんて目も当てられないな」
「グリズリーって何だ!?」
「お前だ」
ー合ってた!
やっぱり彼はグリズリーらしい
密かに喜んでいると
「お前らうるさい。追い出すぞ」
疲れた顔した慎吾が入って来た
「慎吾おかえり」
「蒼ただいま」
微笑みながら頭をぽんぽんと撫でられる
それだけで満足感が全身に伝わっていく
一頻り撫でてくれた慎吾は
グリズリーとたつき?さんに向き直り
「俺の部屋行ってて。、、荒らすなよ翼」
最後にグリズリー改めつばささんに注意するのも忘れない
「なんで俺だけ!?」
「野生だからだろ」
「うるせー!竜樹だって、」
「ん?俺だって何だ?」
「竜樹だって、、、っ!ばーか!あー」
「もうお前らさっさと部屋に行ってくれ!!」
つばささんの言葉を遮って慎吾が叫んだ
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