術なし

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「はぁ~、うるさくてごめんな?」 一段と疲れ切って眉を下げた慎吾の様子に不謹慎だけど 可愛いらしいと感じる 「友達連れてくるの久々だね」 二人が向かった先を見ながら呟けば 「テスト近いから竜樹先生に教えてもらうんだよね。受講料は昼飯だってさ」 いたずらっ子みたいに笑う慎吾に見惚れる 「じゃあ俺も上行ってくるわ」 お茶を三人分淹れて慎吾も部屋へと消えた また俺だけになったリビング 定位置に戻って目を閉じる 慎吾の友達はいい人ばかりだし 俺にも優しい それに頻繁に家に来るわけでもない だけどやっぱりこんな日は寂しい 同じ家の中にいるのに一緒に居られない 自分の独占欲に嫌気がさす しょうがないってわかってるのに 慎吾が俺を優先してくれなきゃ嫌なんだ
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