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「しばらくはどこかの田舎で暮らすよ。ほとぼりが冷めるまで」
「それがいい。住む所と戸籍は私が用意しよう」
喜久子は未来の耳たぶをそっと撫でた。きっと真人は、この子が無事でいる事を確認しているはず。
自分と真人の携帯電話には、未来の生体反応を表す仕掛けが施されている。
ディスプレイに現れるピンク色の点灯がそれだ。
「今度はあたしが、残りの生を全部使ってこの子を守る。安心しな、真人さん……」
摩天楼の上空を、数奇な運命を背負った未来が渡っていった……。
【終話】
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