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私は目を覚ました。
私の目の前には……誰もいなかった。
そのまま起き上がり、いつものようにリビングに行った。
両親はいつものように私を見る。
そして母親が持ってきた朝食を食べる。
その後、歯を洗うために洗面台に向かって行った。
そこに映る鏡はいつもの私が映っていた。
私が行動していたあの子は誰なのだろうか。
そう思っていた時、私を急かせる母親が来た。
私は支度を済ませ、玄関に立つ。
「じゃあ、行ってくるね」
私はそう母親に向かって言った。そして冷たいドアノブを引いて外に出た。
私はいつも通り礼儀正しい格好で通学を行い、遅刻せずに授業を受けた。
次第に彼女を見た夢の存在は薄れていった。
でも、私が夢の中で誰かに会ったことはあることがきっかけで忘れられなかった。
私の指に五本ほどの長い髪の毛が薬指に巻かれていたからだ。
だから帰ってその髪を切るまで私は忘れる事は出来なかったのである。
その後も私の見たあの夢をふただび見ることも現実にも彼女の姿は決して見ることはなかった。
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